Posts By prezzemolo

ざっくりしたパスタの歴史

ベルガモの名物パスタ、カゾンチェッリの話からの流れで、パスタ・リピエーナについて。

スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』と

目から鱗の考察が満載の『パスタ・レボリューション


を参照しました。


パスタ・リピエーナについて話す前に、まず、パスタについて。

パスタは、パスタ・フレスカpasta fresca(生麺)とパスタ・セッカpasta secca(乾麺)に分かれます。
さらに、パスタ・リッシャpasta liscia(詰め物なし)とパスタ・リピエーナpasta ripiena(詰め物あり)があります。
これが必須の基本情報。

次に、パスタの歴史をざっと見てみます。
まず最初にニョッキがありました。
パスタのルーツはニョッキです。
ただし、現在一般的なじゃがいものニョッキではなく、穀物の粉と水のニョッキです。
現在ではイタリア北部や山岳部に広まっています。
次にパスタ・リッシャが生まれ、さらにパスタ・リピエーナが生まれます。
まだゆでるのではなく、オーブンで焼いたり、揚げるのが一般的だった時代です。
ゆでる調理方法は、干した食べ物を戻して食べる、という考えとともに広まりました。
こうして保存に適して大量生産ができるパスタ・セッカが世界中に広まっていきます。
詳しくは、以前のブログをどうぞ。こちら

初期のパスタ・リッシャは、手だけで成形していました。
ニョッキを指や手のひらで押しつぶして平にし、煮汁やチーズがよくからむようにしたのはおそらく自然の成り行き。
こうして、ソースとパスタの関係も現在のものに近づいていきました。
成形方法も、押しつぶす、引っ張る、ねじる、棒に巻きつける、型でくぼみをつけるなど、無数の方法が考えだされます。
それと同時にソースも進化しました。
北イタリアで普及した軟質小麦粉と卵黄のパスタは薄く伸ばすことを可能にし、ラザーニャやタリアテッレへと進化していきます。
対して硬質小麦粉と水のパスタは、薄く伸ばすのに適さず、パスタ・リピエーナも作られませんでした。
このように栽培する小麦の種類によって作られるパスタも違ってきました。

パスタ・リピエーナの包みは卵入りパスタ、具は、ディ・カルネdi carne(肉の具)と、ディ・マーグロdi magro(肉以外の具;チーズ、じゃがいも、豆、野菜、卵、パン粉など)に大別できます。
形は四角、三角、半円などのラビオリravioliやトルテッリtortelliタイプ
帽子形のカッペッロcappelloやトルテッリーニtortelliniタイプ
キャラメル形や麦の穂形などの特殊タイプなどがあります。
パスタ・リピエーナは儀式や祝い事などのために作られました。
また、軟質小麦粉と薄く伸ばす技術が必要だったので、南伊ではほとんど広まらず、北伊のパスタでした。

かなり大雑把な話でしたが、パスタ・リピエーナの成り立ちのイメージ、つかめたでしょうか。

トルテッリ

アニョロッティ・デル・プリン

クルッジョーネ






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ベルガモが街を上げて観光の目玉にしたパスタ、カゾンチェッリ

前回のブログで取り上げたパスタ・リピエーナ/詰め物入りパスタのカゾンチェッリcasoncelliですが、これ、カゾンセイcasonseiという呼び方もありました。
あれこれ疑問点も出てきたので、もう少し詳しく見てみます。

1001スペチャリタ』によると、

カゾンセイはミラノの北東にある街、ベルガモの名物パスタとして知られていますが、名前の語源は謎。

ベルガモ

形がショートパンツ(calzonciniカルゾンチーニ)に似ているから、とか、昔は詰め物はチーズ(カーゾcaso)が一般的だったから、などの説があります。
昔は日曜やお祭りの日に食べる料理でしたが、今では一年中作られているそうです。

パスタの具は、挽いたサラミ、パン粉かグリーッシーニ、挽いたローストビーフ、グラナ・パダーノ、卵、サルタナレーズン、アマレッティ、スパイス(こしょう、ナツメグ、シナモン)、レモンの皮、にんにく、イタリアンパセリ。
パスタは00番の軟質小麦粉、セモリナ粉、卵、水。

味はマイルドでレーズン、洋梨、アマレッティの軽い甘味があります。
形は半月形で、一般的にはたっぷりのグラナ・パダーノとバター、パンチェッタ、セージのソースをかけます。
フルーツやジャムを加えたドルチェ版もあります。


ベルガモでは、3年前の5月に地域産業振興協会と商業会議所が、ベルガモのパスタ・リピエーノ誕生650周年を祝うイベントを開催。
5月13日(イベントの日)をカゾンチェッロの日と定めたそうです。
カゾンチェッロはメイド・イン・ベルガモのパスタだから、
カゾンチェッロで観光客を呼び込もうと、めちゃマジ。
でも、スローフードのスクオラ・ディ・クチーナシリーズの『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』によると、

カゾンセイはベルガモ以外にもブレッシャ、ヴァルカモニカ、ベッルーノなど、各地にオリジナルのカゾンセイがあって、個性を競っているようです。
なので、ベルガモも、カゾンチェッロ祭りを開いて観光客を集め、歴史的根拠を学者の先生が紹介する、という大イベントを開いたようです。

ベルガモ風カゾンチェッリ

イベントでは、カゾンチェッロの語源についても新説が発表されたようです。
すごく回りくどくて学術的な話を要約すると、殆どのパスタはその形が名前の由来になっているので、カゾンチェッロの場合もそうだと考えられる。
古い文書にはCassoncellumと書かれているものがあるが、これは小箱という意味だ。
という訳で、小箱が語源ではないか・・・。
どう思います?
ちなみに肉が入るのがベルガモのカゾンチェッリの大きな特徴です。

こんな話を読んでいたら、パスタ・リピエーナの歴史を確認したくなりました。
次回に続きます。



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高級ワインの産地で湖と森の産物に恵まれたフランチャコルタは観光地としても面白そう


 さて、今日の話題は、フランチャコルタです。「総合解説」P.48。

フランチャコルタは、高級なスパークリングワインというイメージがありますが、
ロンバルディアのイゼオ湖に面したブレッシャ近郊にある地域の名前です。

フランチャコルタ地域とイゼオ湖の美味しいものを味わいながら巡るグルメ列車。
Treno dei Saporiのwebページはこちら
メチャクチャ楽しそう。



フランチャコルタという地名の由来はちょっと独特。
中世にこの、湖周囲の丘陵地帯にあった修道院が、領主に税金を払っていなかった、つまり、免税地区だったのです。
免税地区はfrancae curtesと呼ばれました。
これが時と共に変化してしてfranciacortaになったのでした。
丘から湖へと続く土壌は、モレーンと呼ばれる氷河が削られて堆積した土壌で、この地帯はかつて沼地でした。
現在はトルビエーレ自然公園になっています。


ここではベネチアやミラノの貴族のためのワインが造られていました。
なるほど、元々高級志向だったのですね。
しかも免税地。
日常のワインではなく、贅を尽くした高級ワインが生まれる環境は整っていました。
高山の森林地帯、オリーブとブドウ畑、漁師の村が混在するという、マーレ・エ・モンティの変形版、ラーゴ・エ・モンティ。
海のない北イタリアにできた南イタリアの豊かな自然と田舎の環境を感じさせる場所だったのですね。

ロンバルディア州はこの地域の観光にも力を入れていています。
フランチャコルタワインのwebページはこちら

フランチャコルタの食材


フランチャコルタがミラノとベネチアの貴族のためのワインだったのは、その2つの都市の間にある、という地理的な特徴があったからかも。
ミラノからフランゃコルタ経由でベネチアに行く、というセレブ気分を味わえる旅はいかがでしょう。
お薦めレストランの情報は「総合解説」にあります。

「総合解説」にもリチェッタは載っていますが、ロンバルディアの代表的料理の一つ、カゾンチェッリ

ブレッシャ風カゾンチェッリの材料は、
パスタ;000番の小麦粉、卵、卵黄、塩、水
詰め物;パン粉、グラナ・パダーノ、バター、にんにく、イタリアンパセリ、ブロード・ディ・カルネ
ソース;バター、セージ

・潰した皮付きにんにくとバターを熱する。
・イタリアンパセリをみじん切りにしてバターに加える。
・パン粉とグラナ・パダーノを混ぜてバターを加える。
・にんにくの皮を取り除き、こししょうとナツメグを加える。
・ブロード・ディ・カルネを加えて柔かくて締まった詰め物にし、数分休ませてしっとりさせる。
・生地を厚さ1mmに伸ばし、四角く切って詰め物を絞り出す。
・生地の上辺に水を塗り、三角形に折って閉じる。底辺から巻き、両端をキャラメル形にとめる。
・カゾンチェッリを3~4分ゆでる。
・バターとちぎったセージを熱する。カゾンチェッリを加えてなじませる。
・皿に盛り付けてグラナ・パダーノを散らし、残ったバターをかける。

「総合解説」のリチェッタは挽肉やモルタデッラ入りですが、ブレッシャ風は、パン粉とチーズのシンプルなタイプのよう。




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“グルメガイド~フランチャコルタ”の記事の日本語訳は「総合解説」2017年9/10月号P.48~に載っています。
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ナポリのピッツァのアンダー30

今日のお題は『ピッツェリエ・ディ・イタリア2018』。
総合解説」はP.47です。


ガンベロ・ロッソのあれこれある格付け本の中の1冊で、ピッツェリアのガイドブックです。

月刊誌の『ガンベロ・ロッソ』でも、特集記事が組まれていました。
冒頭、いきなり、イタリア人のサッカー脳が炸裂。
なにしろ、ナポリのピッツァをサッカーに例えるとブラジルだ、
と、迷いなく言い切ります。
つまり世界一の名門だということですね。
そしてアンダー30(そんなのあるんかい)には、イタリアの北から南から、信じられないくらい大勢が招集されてやってくる、と胸を張るのです。
日本からナポリのピッツェリアを目指すアンダー30候補も、ガンバレー。

ピッツァイオーロという職業をイタリアの20歳を少し過ぎた若者が選ぶ理由は、家業を継ぐためとか、子供の頃からの夢だったなどだそうで。
さて、どんなアンダー30がいるのでしょうか。

まずはポッツオーリの10のディエゴ・ヴィタリアーノ。店のwebページはこちら

ピッツェリアの家庭に育った叩き上げで、
彼の店はナポリの人にとても愛されているようです。

次はピッツァフリッタの女王、イザベラ・デシャム。

ピッツァ・フリッタは、エンツォ・コッチャやジーロ・ソルビッロなどの大御所たちで知られていますが、娘のような若者たちに、見事に受け継がれていたのですね。

次はシーロ・オリヴァ。
家族のピッツェリアを継ぎ、さらに自らの店を開いて革新的ピッツァを作るという、根っからの改革者。

さらに、ナポリからトスカーナにやってきたのはマルコ・マンズィ。

みんな迷いのない真っ直ぐな目をしてピッツァのことを語りますね。
おばちゃん感心しました。



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“ピッツェリア・ディ・イタリア2018”の生地の日本語訳は「総合解説」2017年9/10月号に載っています。
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カフェの中のカフェ、ナポリのガンブリヌス

新入荷の本のご案内です。

本のタイトルは『ガンブリヌス』。

ナポリの歴史的カフェです。

ただ、料理書ではないのでカフェのリチェッタ等はありません。
ガンブリヌスの現オーナーが監修した、この歴史的カフェの歴史と、ナポリのコーヒー文化の頂点を歴史的写真で記録した本です。

この素晴らしいカフェに訪れたことのある人なら、その時の記憶がよみがえり、ナポリで過ごした幸せな時間に浸れるでしょう。

私がガンブリヌスを知ったのは、多分、有名ガイドブックにナポリで一番歴史的で有名なカフェだと書いてあったからだと思います。

そして、そのゴージャスな世界に魅せられて、ナポリに行く度に訪れるようになりました。

ある時、私は友人のピアノの先生と、その仕事仲間と3人でナポリを訪れました。
つまり、ピアノの先生2人が一緒でした。
バックパッカーで貧乏学生の一人旅しかしたことのなかった私は、高級な場所で場違いな思いにかられて、悔しい思いをしたことが何度もありましたが、この二人がいればクラシック音楽の素養がまったくない私でも、ヨーロッパのハイソな場所も全然臆することなく、足を踏み入れることができました。
無敵の旅仲間だったのです。

その日、ガンブリヌスに入ると、何やら店の奥からピアノの音が聞こえてきました。
その音に惹きつけられるかのように、なんのためらいもなく、私たちはそれまで足を踏み入れたことがない奥の部屋に入っていきました。

大通りに面した表の部屋と違って、ほとんど人気のない、静かな部屋の奥に、グランドピアノがあり、それを正装した見目麗しい一人の青年が弾いていました。

ピアノの正面の奥まったテーブルに座って、彼がかなでる音楽を堪能している私たちは、ベルエポックの世界にどっぷり浸っていました。
やがて演奏は終わり、夢から覚めました。
少なくとも私は。
ところが、ピアノの先生Bは、覚めるどころか、「あの人と話がしたい」と乙女の目で私に懇願するのです。
お嬢様のピアノの先生は、ナポリの美しいカフェでピアノを奏でる王子様にすっかり心をときめかせてしまったのでした。
でも言葉ができないので、私に代わりに話しかけろというのです。
お嬢様、ごめん。ナポリで逆ナンなんてそんなハードルの高いこと、できるわけないじゃないですか。
おかげで私までドギマギしちゃいましたよ。

それ以来、私のガンブリヌスの思い出は、イケメンピアニスト一色でした。

奥の部屋のグランドピアノ!!!

この本は、ガンブリヌスがカフェの中のカフェと呼ばれる場所だったことを思い出させてくれました。

ナポリの社交の場だっただけでなく、カメリエーレたちも素晴らしいし、コーヒーも美味しそう。


ナポリのカフェ文化を研究したい人にお薦めの本です。




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シチリアのマーレ・エ・モンティな料理

グリバウド・クチーナ・レジョナーレシリーズの『シチリア』によると、

シチリア内陸の農業は主に、大農場による穀物栽培、沿岸部は柑橘果実、果実、ぶどう、オリーブ、野菜など、様々な作物に特化して発展しました。

ニュートン・クチーナ・レジョナーレシリーズの『ディ・マーレ』によると、

 シチリアの魚料理はギリシャの植民地時代から知られていて、シンプルなのに素材の味を活かすことに長けていました。
調味料が、ビネガーと香草がベースで必要最低限なところがとても洗練されている、と考えられていたようです。
メカジキやマグロなどの伝統漁は姿を消しつつありますが、シチリア料理に強い影響を残しました。
ギリシャ、オリエント、スペイン、アラブ、フランスからも影響を受けています。

シチリアがアラブに支配されていたのは9世紀始めから1000年頃まで。
この間に、アグロドルチェな味付けが広まりました。
クスクスはアラブ・ベルベル人の食文化のシンボルで、トラパニやメッシーナではズッパ・ディ・ペッシェを添えて広まりました。
シチリア沿岸部では、魚を生で食べる習慣が広まり、さらに干したり塩漬けにして保存する方法も各地で生まれました。

海に囲まれたイタリアでも、ニュートンのディ・マーレシリーズに取り上げられているのは、シチリア、ナポリ、リグーリア、サルデーニャ、ヴェネト、カラブリアと数州です。
イタリアの地方料理の担い手は、農民で漁師でシェフな人々。

それでは、ニュートン・クチーナ・レジョナーレシリーズの『ディ・マーレ』の膨大なマーレ・エ・モンティなリチェッタから、カポナータをどうぞ。
シチリア料理の代表的アンティパストを魚料理に変身させた1品です。

小ダコ入りカポナータCaponata con i polpetti(カポナータ・コン・イ・ポルペッティ)

材料/4人分
なす・・2本
ゆでた小ダコ・・600g
葉つきセロリの芯・・1株
種抜きグリーンオリーブ・・100g
ケッパー・・大さじ1
松の実・・大さじ1
レーズン・・大さじ1
トマトソース・・1カップ
ビネガー・・1/2カップ
砂糖・・大さじ1
バジリコ・・1枝
玉ねぎ・・1個
トーストしたアーモンド(好みで)・・100g
EVオリーブオイル
塩、こしょう

・なすを小角切りにしてザルに入れ、塩をして1時間置いてアクを出す。
・洗って水気をシートでしっかり切り、たっぷりの油で揚げる。黄金色になったらシートに取る。
・セロリを小さく切って玉ねぎの薄切りと一緒に油大さじ5でソッフリットにする。玉ねぎに色がつく前にトマトソース、バジリコ、オリーブ、ケッパー、松の実、ぬるま湯で戻して絞ったレーズン、塩、こしょうを加えて弱火で10分煮る。
・ビネガーと砂糖を加えて混ぜ、軽く水気を飛ばす。なすと小ダコを加えてさっとなじませる。
・冷めたら刻んだアーモンドを散らしてサーブする。

ベースのカポナータ


ニュートンのクチーナ・レジョナーレシリーズのシチリアのお薦めは、ディー・マーレとドルチェ。

マーレ・エ・モンティな料理とドルチェはシチリア料理の重大な柱。


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イタリアの料理雑誌の日本語訳、「総合解説
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寿司が流行るずっと前から魚は生で食べていたと胸を張るマザーラ・デル・ヴァッロの漁師さん

シチリアの話が続きますが、今月のシェフもシチリアの人。
『ガンベロ・ロッソ』の記事です。

タオルミーナのベルモンド・グランド・ホテル・ティメオのシェフ、ロベルト・トロ。

セレブ御用達の高級ホテル、ベルモンド・グランド・ホテル・ティメオ

テラスからの眺めが素晴らしい。
は~行きたいなあ。
小さな国際リゾート、タオルミーナは、なぜか家庭的な雰囲気がする町です。

シチリアの農家出身のシェフは、シチリアのマーレ・エ・モンティの伝統、つまり海の幸と畑の作物を組み合わせる料理からインスピレーションを受けた料理を作っています。

訳したリチェッタの1品めは帆立貝と豆の組み合わせ、“帆立貝のチェーチのクリームと青りんごのピューレ、ボッタルガ添え”。

シチリア料理の主役の一つは、海。
10月のシチリアを象徴するものとして記事で揚げているマザーラのエビとは、こんなエビ。
ガンベロ・ロッソ・ディ・マザーラの漁

水深700mから最新の技術で引き上げられたエビは、慎重に丁寧に選別、冷凍されます。
生で食べるのが一番美味しいので、タルタルや寿司がお薦め。
シチリアの漁師さんなら寿司職人が求めるネタが完璧に理解できそう。

マザーラとは、トラーパニ県のマザーラ・デル・ヴァッロMazara del Valloのこと。
シチリアの西の端の町です。
トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ2』によると(P.88)

「チュニジアの海岸からわずか200kmの、アラブのカスバを連想させる町、マザーラ・デル・ヴァッロでは、食事が始まる時間になると奇跡が起こる。
海辺の漁師町の運河に沿った魚屋が、魔法のようにレストランになるのだ・・・
町のシェフは、ここではいつでも魚は生で食べていたよ。
寿司が流行するずっと前からね、と強調する・・・」


あらやだ、シチリアの漁師さん、カッコイイ。
ここでは、生魚の調味は、オリーブオイル、挽き立てのこしょう、そしてレモン汁。
レストランでは生魚は急速冷凍して、氷を作らないように冷やしながら細菌を無害にしているので青魚も安心。


トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ2』で、マザーラのシェフとして紹介されているのは、上の動画にも登場したヴィート・マルモレオさん。
魚の話が止まらない。

Ristorante Marmoreoは人気のレストランのようです。



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“ロベルト・トロシェフ”のリチェッタは、「総合解説」2017年9/10月号P.41~に載っています。
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カルタジローネの陶器と珍妙なトリナクリナはシチリアのシンボル

新着本です。

パスティッチェリーア・シチリアーナ

ブランカートという初登場の出版社の、クチーナ・シチリアーナシリーズの1冊です。
クレアパッソで販売している他の本と比べると、とても小さくて薄くて、かなりお手軽サイズです。
当然お値段もお手頃。
パスティッチェリーアの他に、ルスティケリーア、ターヴォラ、ペッシェの3冊があります。

このシリーズ、表紙のデザインも象徴的です。
まず、左側のタイルのデザインは、アラブから伝わったマヨルカ焼きのもの。

シチリアの陶器の町と言えばカルタジローネ。




カルタジローネと言えば、サンタ・マリア・デル・モンテの大階段。

ルミナーリアは町の守護聖人の日(7月24、25日と8月14、15日)のイベント。

さらに、本の表紙の右上の、頭に足が3本ついている珍妙なデザインは、最近では大河ドラマのopで見ますよね。
その度に、あれなんて言うんだっけ、シチリアのマークだよね、なんて思っていたのですが・・・。
シチリアでは、トリナクリナと呼びますが、フランスのブルターニュのシンボルでもあるのか・・・(by wiki)。


どうやらこれはゴルゴーンという見ると石になるギリシャ神話の登場人物の3姉妹をデザインしたもので、メデューサはその末娘。
シチリアの三角形の島の形が、昔の人にはよほど珍しかったのか、それがちょうど当時広まっていたギリシャ神話の3姉妹の話と結びいて、この三脚巴がシチリアのシンボルとして定着したとかしないとか。
他にももっともらしい説には事欠かないようですが。

実はこの2つは、シチリア料理の本にはかなりの確率で登場するんです。
きっとシチリアの人も誇りに思っているものなんですね。

最後にカルタジローネのレストランを1軒。
ミシュラン1つ星のリストランテ・コーリアです。


シェフは2人。
上の動画に登場したのはカルタジローネ出身のフランチェスコ。
チッチョ・スルターノのリトランテ・ドゥオモで共にセコンド・シェフとして働いた二人が、2008年に独立してカルタジローネに店を持ちました。
シチリア料理のバイブル、ジュゼッペ・コーリアの『プロフーミ・ディ・シチリア』という料理書からインスピレーションを受けた料理を出しているそうです。
店にも彼の名前をつけています。



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