Posts By prezzemolo

オリーブのクンツァータとパッソローニオリーブ

オリーブの保存方法ですが、元も一般的なのはサラモイア漬け。
塩水とハーブ、スパイスなどで漬ける方法です。
日本語だと、ちょっと素っ気ないけど、塩水漬けですか。
それと、もう一つよくあるのが、クンツァータ。
これも塩水とハーブ、スパイスで漬けるのですが、サラモイアとの違いがさっぱりわかりません。

クンツァータ
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クンツァータはシチリアの方言でコンディーレ、味付けする、という意味が。

どうやらイン・サラモイアは塩水に漬ける、という意味で、味付けするという意味は薄く、クンツァータは味付けするという意味で塩水につけるという意味は薄い、こんな解釈でOK?

もう一つの保存方法は、オーブン焼き。
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オリーブに切り込み位を入れて網に入れ、毎日水を替えながら4~5日漬けます。
水を替えてさらに4~5日漬けます。
水気を切り、塩、にんにく、ローリエで調味して毎日かき混ぜながらさらに4~5日なじませます。
2~3時間水気を切り、弱火のオーブンに入れて混ぜながら乾かすように焼きます。
完全に冷まして出来上がり。
これはもっとも手の込んだ保存方法かも。

黒オリーブは完熟してから収穫するのでそもそも収穫時期がグリーンオリーブとは数ヶ月違い、それをさらに何日も水にさらしてアク抜きし、調味してマリネしてからオーブンで焼いて水分を飛ばして味を凝縮させたオリーブです。



「総合解説」にはオーブン焼きのオリーブをさらにオレンジ、唐辛子、タイム、オリーブオイルでクンツァータするリチェッタもあります。
かなりスペシャルなオリーブになりそう。

こうして保存したオリーブを使って、数々の美味しい料理ができるわけです。

リチェッタにはオリーブの品種を指定しているものもあります。
一般的なのはリグーリアのタッジャスカと、生食用の代表的品種ガエタ。
今回の記事には“パッソローニ”という品種も登場します。
巨大なノチェッラーラ・デル・ベリチ種を黒ずんだ紫色になるまで熟させたオリーブです。







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“生食・料理用オリーブ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年6月号に載っています。
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生食用オリーブ

総合解説」2016年6月号発売しました。
リチェッタの最初の記事は“生食・料理用オリーブ”。
オリーブは、摘みたては苦くて食べることができないのですが、地中海の人は古代から何世紀もかけて美味しい食べ方を試行錯誤してきました。
保存方法も、古代ローマ時代にはすでに考え出されていました。

その前に、熟し具合ですが、一番青いのは夏の終わりに収穫した実で、黒いものは完熟してから秋の終わりに収穫します。
ふっくら膨らんで柔らかいものはオイルをたっぷり含んでいます。

摘みたてを食べる
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洗って1分ゆでて塩、オリーブオイル、イタリアンパセリ、にんにく、唐辛子で調味します。

アク抜き
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洗って蓋付き容器に入れて水に漬け、朝晩水を替えながら30日間漬けます。
これをサラモイア(塩水とハーブやスパイス)で漬けます

サラモイア漬け
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プーリア風塩漬け
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洗って傷んだものを取り除いて塩をまぶし、毎日最低1回かき混ぜながら15日漬けます。
ざるに移して混ぜ、一晩休ませます。
オリーブオイル、イタリアンパセリ、にんにく、唐辛子のみじん切りで調味したら2時間休ませて瓶に詰めます。

量は全部目分量。
リチェッタは家族ごとに秘伝のものが受け継がれていそうですね。

オリーブの保存方法はまだあります。
続きは次回に。

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“生食・料理用オリーブ”の記事の日本語訳は「総合解説2016年6月号」に載っています。
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グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ・シリーズ

本を紹介する水曜日。
今日は、“グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの
新入荷
『エミリア・ロマーニャ』と『トスカーナ』です。







このシリーズ、『ウンブリア』が一番最初に品切れになりました。
次は『エミリア・ロマーニャ』で、3番目が『トスカーナ』。
実はこの3冊は、当分手に入らないだろうと思っていました。
なので、今回入荷したこの2冊は、かなり貴重な本です。
2010年版なので多少経年感はありますが、
このシリーズのコンプリートを目指している方にはお薦めです。



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エミリア街道が発展させた食文化と本家争い

ポー河は、エミリア・ロマーニャ州の北側の縁を流れています。
東西に長いエミリア・ロマーニャの真ん中を貫いているのは、via Emilia=エミリア街道です。
グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズ
『エミリア・ロマーニャ』の前書きの第2章は、エミリア街道の話です。

商人、兵士、巡礼、無法者を運びながら、エミリア街道の歴史は流れていきました。
時は流れても街道は変わらず、今も平野を横切っています。

紀元前2世紀に、ローマの執政官マルコ・エミリオ・レピドによってポー河とアペニン山脈の間に通された街道は、ピアチェンツァとリミニを結んでいます。
エミリア街道は人の名前が語源だったんですね。
軍需的目的でしたが、経済活動も担いました。
北西と南東を結び、山と平地を結び、ポー河の支流の町を結び、エミリア・ロマーニャの発展に大いに貢献してきた街道です。

町は中世のシニョリーアの時代には僭主の住む都となり、ヨーロッパ諸国と結びつきのある貴族たちが台頭してきました。
ルネサンスの時代には、これらの街がさらに力を増し、ボローニャ、モデナ、パルマなど、街ごとに独自の食文化を発展させたのです。

料理の本家争い、というエミリア・ロマーニャではよくある話も、隣町同士の間で繰り広げられるなど、街ごとのプライドがすごく強いのは、この時代の栄光の名残かも。

エミリア街道の22世紀
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さて、次は食材の話。
まず最初は、サルーミ。
次はバルサミコ酢、そしてトルテッリーニ。
こうして食材を並べるだけで自然と、パルマ、モデナ、ボローニャと、エミリア街道を北から南へと移動できますねえ。

エミリア・ロマーニャのバルサミコ酢とパルミジャーノ
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エミリア・ロマーニャの町の紹介
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プロシュットはないけど、クラテッロならあります。

豚肉はトスカーナかな、なんて言いましたが、あれ、やっぱりエミリアだっけと、もう気持ちが揺らいでいます。

グリバウド・グランデ・クチーナ・レジョナーレ・イタリアーナ”シリーズの、
長らく欠品していた『エミリア・ロマーニャ』が入荷して、最初のページを読んだのです。

「なにがあるんだい?」
「柔らかい豚肉のロースト、美味しいコテキーノ・フレッドがあります」
「プロシュットは?」
「プロシュットはありませんが、クラテッロならあります」
リカルド・バッケリ著『ポー河の水車小屋』より

映画化もされた有名な小説のワンシーンで始まるエミリア・ロマーニャの紹介。
この短い会話で、ここがイタリアの養豚業の伝統の地だということを思い出させますねー。
本は、この地方の料理は陽気で賑やかな、祭り(festa)の料理だ、と続きます。
トルテッリもラザーニャも、アノリーニもタリアテッレも、ラグーもザンポーネも、仲間と食べるのにぴったり。

確かに。
トスカーナとの大きな違いは、どれも職人技が生かされた料理ばかり。
さらにエミリア・ロマーニャにはポー河があるという決定的な違いもありました。

ポー河
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このシリーズは、リチェッタもいいですが、各州の特徴をまとめた前書きがととても優秀です。
読み返す度に発見があって、ずっと手元に置いておきたくなる本です。
さて、エミリア・ロマーニャについては、どんな事が書いてあるのでしょうか。

ざっと予習
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トスカーナの豚肉料理アリスタ、ロスティンチャーネ

グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『トスカーナ』から

トスカーナの肉料理を紹介しています。
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナの次は、チンタ・セネーゼの料理を訳してみましょうか。

まずは
“チンタ・セネーゼのアリスタ/ARISTA DI CINTA SENESE”

アリスタはトスカーナで生まれた豚の部位の名前で、共通語だと“カレcarré”にあたります。
フランス語のキャレのイタリア訛り、つまりあばら骨付きロース。
チンタ・セネーゼのアリスタは、チンタのアリスタと省略する派と、・・・産チンタ・セネーゼのアリスタと、さらに詳細にこだわるシェフとに別れているようです。
最近訳したシェフはオルヴィエト産チンタ・セネーゼにこだわっていました。

参考までに、アリスタのロースト 
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それではチンタのアリスタのリチェッタに戻ります。

材料/5人分
チンタのアリスタ・・1kg
にんにく・・2かけ
EVオリーブオイル・・大さじ2
白ワイン・・1カップ
ローズマリー、セージ
塩、こしょう

・アリスタは骨付きなら開く。肉と骨の間にローズマリー、セージ、潰したにんにくをはさんでタコ糸で縛る。骨なしの場合は通常のローストの要領で香草はタコ糸の下にはさみながら縛る。
・塩、こしょうする。
・油を引いたソテーパンで表面全体を焼き、白ワインを加えて1時間焼く。オーブンで焼いてもよい。

シンプルですね。
そう思いながらページをめくったら、こんがり焼けた山盛りの豚の骨付きリブローストの皿の上に肘を付きながら肩寄せあって骨付きリブを両手で持ってかぶりつく母子の写真が。

超美味しそう、と思って本を見直すと、チンタのアリスタの横に、
“ロスティンチャーネ/ROSTINCIANE”
という料理のリチェッタがありました。
きっとこの料理です。

本によると、トスカーナではコストレッテのことをロスティッチャーネROSTICCCIANEとか、ロスティンチャーネROSTINCIANEと呼ぶそうです。
コストレッテはアリスタを切り分けたもの。

材料/4人分
豚コストレッテ・・1.2~1.5kg
ローズマリー
塩、こしょう

・炭火で焼くが、なければオーブンでも可。
・ローズマリーで香りをつけて約30分焼く。
・焼き上がったら塩、こしょうする。

アリスタもロスティンチャーネもトスカーナ生まれで全国的に広まった豚肉料理。

ロスティンチャーネとサルシッチャのグリル
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バーベキューの王様だあ。


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ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ

今、秋だっけ夏だっけ・・・。
年々秋と春が短くなっている気がしますが、秋を飛ばして冬になるのは、やっぱり無理です。
秋になると毎年『アウトゥンノ』を紹介するのが風物詩ですが、


今年は“グイド・トンマージ・クチーナ・レジョナーレ”シリーズの『トスカーナ』
なんてどうでしょう。


トスカーナの料理は秋が似合うような気がします。

トスカーナの市場料理


も秋が似合う料理が満載です。

どうして秋が似合うのか・・・ページをめくってみると、ビステッカ・フィオレンティーナからチンタ・セネーゼ、トリッパまで、美味しそうな肉料理のオンパレードで、添えられたパンと、具沢山のズッパと、濃いワインがあれば、トスカーナの田舎で貴族の狩り参加したような気分になります。

さすがに市場料理の本にはキアニーナのステーキは載っていないので、今日は、グイド・トンマージの本のリチェッタを訳してみます。

リチェッタのタイルは、
“ビステッカとコスタータBISTECCA E COSTATA”

「フィレンツェのビステッカは、フィレンツェの外ではフィオレンティーナと呼ばれている。
ビステッカ・フィオレンティーナとは、キアニーナ種の24月齢以上のヴィテッローネの肉で、熟成庫で15~20日熟成させたもの。

カットは背肉の尾に近い側をT字型の骨付きで切ったもので、肉はヒレ(filetto)とサーロイン(controfiletto)に分かれる。
ヒレとサーロインに分けられないものはコスタータとなる。
重さは1.5kg、厚さは4~5cm以内。

焼く時にオイルでマリネしたり、焼く前や後にオイルを塗ったり、フォークやナイフで穴を開けてはいけない。
焼くのに理想的なのはオークやオリーブの炭火で、鉄板等は厳禁。
網は炭から10cm離す。
焼き具合はアル・サングエ(レア)のみ。
片面5分が目安だ。
調味は焼いた後に塩、少量のこしょうのみ。
オイルやレモンは使わない」

リチェッタは人によってかなりバリエーションがあります。
参考動画



赤身肉バンザイ!

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イタリアの定番肉料理

今日のお題は本、
グランディ・クラシチ』です。


イタリア料理の定番を集めて1冊にぎゅっとまとめた、シンプルだけど読みやすい本。
総合解説」では肉のセコンド・ピアットを訳しました。
この本のリチェッタの訳しやすさは素晴らしい!
イタリア語初心者に優しい本で、お薦めです。
と言っていたのですが、とうとうこの本も売り切れのようです。
いい本ほどすぐ売り切れるイタリアでは、売り切れは内容の良さの証明。

今後は中古品になりますが、注文があれば探しますので、イタリア時間でのんびり待てる、という方は、ぜひご利用ください。

訳したリチェッタの1つ、鶏のレンガ焼き。
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確か昔はアッラ・ディアヴォラと読んでいた料理ですよね。

うさぎのイスキア風も、イタリア料理の定番。
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よく聞くけど、食べたことなかったなあ。
そういえば、ゴリツィア風グーラッシュもよく聞くけど食べたことない料理。
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ゴリツィアという名前が登場することも稀です。
フリウリ=ヴェネチア・ジューリア州の街。



異国情緒に溢れた国境の町。

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グランティ・クラシチ』のリチェッタの日本語訳
総合解説」2016年5月号に載っています。
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