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アンドリアのブッラータIGP


今日のお題はメイド・イン・イタリーの食材、ブッラータ。
おっと、ブッラータ・ディ・アンドリアでした。
2015年にIGP製品になって、burrata di Andriaが正式名称になりました。

取り合えず、アンドリア以外で作ったブッラータは類似品で、ブッラータの産地はアンドリア、ということが公式に発表されたわけです。

『サーレ・エ・ペペ』の記事はちょっと辛口でした。
なにしろ、ブッラータが作り出されたのは、味をよくしようという発想からではなく、モッツァレッラを作る時にできる残り物を有効利用して商品にする、という、身も蓋もない現実的な理由から生み出されたものだったのです。

アンドリアのロレンツオ・ビアンキーノさんがブッラータを作り出したのは約100年前。
今では、地元ムルジェ地方の牛乳だけでは生産がまかないきれないほど広まりました。
なので、アンドリアのブッラータという名前の割には牛乳の産地には指定がないなど、igp製品といえど、ドイツやフランス産の牛乳から造られている可能性もあるという異常事態。



そもそも、アンドリアのブッラータは、ムルジェ地方の牧草を食べた牛のミルクから作るので、独特の香りが特徴、と言って売っていたのです。
プーリアの人はなかなか現実的な発想をします。

ムルジェ地方の牛
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どこの牛乳から作ろうと、美味しければいいですが、ブッラータは作ってから24時間以内に食べるチーズ。

美味しいブッラータを食べたかったら、やっぱりアンドリアに行くしかない。



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“アンドリアのブッラータ”の記事の日本語訳は「総合解説」2016年8月号に載っています。
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パレルモの人気ストリートフード、パネッレとカッツィッリ

今日のお題はシチリアを代表する大人気ストリートフード、パネッレとカッツィッリ。

両者とも揚げ物です。
チェーチの粉のソフトなフリッテッレ、パネッレpanellleのほうが多分よく知られているかも。
もう一つのカッツィッリcazzilliは、聞き慣れない名前ですが、その実態はじゃがいものコロッケ、別名クロッケcrocchè。
揚げ物屋さんで人気なのもうなずけますねー。

パネッレは、シチリアの食文化を語るときに必ず登場するアラブの影響を受けた食べ物。
アラブ人がチェーチの粉と水を混ぜた生地を焼いて作っていたものがルーツ。

さらに、これらはストリートフード、つまり屋台で売る食べ歩きできる食べ物、ということは農村部ではなく都会の食べ物であること、というわけで、パレルモの名物になったのも納得の一品です。

カネッリ



片手で握って作る細長い俵型が独特です。

パネッレ



パネッレの屋台、パネッラーロ
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休み時間になると何百個と売れるんだそうです。

余ったパネッレやクロッケの生地で作るラスカトゥーラ。
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“パネッレとカッツィッリ”の生地とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2018年8月号に載っています。
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カゼンティーノの豚肉

今日のお題は豚のスペアリブ。
あばら肉はイタリア語では“costine/コスティーネ”。
「総合解説」で訳しているのは『サーレ・エ・ペペ』の記事。

記事の中に登場する、最高の肉に情熱を捧げているアレッツォ県のカゼンティーノで4代続く肉屋、フラカッシの店主、シモーネ・フラカッシさん。
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シモーネさんが扱っている豚肉は、カゼンティーノのチンタとラージホワイトの交配種、と記事にはあります。
チンタはチンタ・セネーゼ種のことですよね。
ラージホワイトは、別名大ヨークシャー種とも呼ばれます。
ヨークシャー種なら、聞いたことありますよ。




19世紀から20世紀にかけて、日本を含む世界中に広まった品種だそうです。
カゼンティーノ地方に伝わったラージホワイトは、トスカーナの土着品種チンタ(またはロマーニャのモーラ・ロマニョーラ種)との交配によって、ガゼンティーノ特有の品種として広まりました。
その飼育方法は、厳格に伝統的な昔ながらの方法、つまり、栗やトキワガシの森で放し飼いされ、ドングリや木の実、果実や木の根など自然のものを食べて自由に動き回った豚です。
豚の放し飼い
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シモーネさんは、こうやって育てた豚は、肉が柔らかくて風味が豊かになる、と語っています。

さらに、コスティーネ料理のポイントは、急がないこと。
低温でゆっくり焼くのだそうですよ。
半野生の豚肉が手に入る人は、是非、この方法で調理してみてください。

おまけの動画
そもそもカゼンティーノって?



シモーネさんも出てますねー。
この地方は生ハムも半野生の豚肉を使ってるんですね。

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“豚スペアリブ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年8月号に載っています。
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チネマ・イン・ジャルディーノ

「総合解説」の2つめの記事は、“庭で野外映画のピクニック”がテーマ。

暖かくなると野外映画のシーズンがイタリア各地でスタート。
人気のイベントなんですね。
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広い庭があればDIYで。



今月のホームパーティーは、オンライン映画が普及した昨今、庭の木の間に即席のスクリーンを張って、夏の夜に野外で映画を見ながらピクニックをするという、一生の思い出になりそうなイベントの提案です。

映画を見ながら食べるのは手づかみで食べる料理。
ブルスケッタの盛り合わせ、モッツァレッラとスイカとメロンのサラダ、木の枝に刺したチキンのミートボール、ババを閉じ込めたパンナコッタというメニューで、大人と子供が一緒に楽しめるファンタジーという映画の内容に合わせたもの。
森の中、海辺や湖岸、山の中では、食べる料理も美味しくなりそうですね。

どうやら大規模な野外映画は過去のものとなりつつあるようですが、個人で楽しむ方法が急速に広まってきたようです。

おまけの動画です。
野外映画といえばこれ。
『ニュー・シネマ・パラダイス』のトレイラー。





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フィーコ・ディンディアとスコルゾーネ

今月(8月)の食材の筆頭は、フィーコ・ディ・インディア。
インドのいちじく。
そう、ウチワサボテンの実です。




なぜサボテンがインドのいちじくなのか、その答えは有名なコロンブスの壮大な勘違いのせい。
インドに着いたと信じていたんですねー。
インディァンに始まる彼の勘違いはこれだけではありません。
インドの鶏、gallina d'Indiaと呼ばれる鳥もいます。
答えは七面鳥。

次の食材はスコルゾーネscorzone。
5~10月に熟すサマートリュフです。
収穫は5月末から9月



冬のトリュフと比べると香りが弱いので、価格はほぼ1/10。
ただし、その違いは専門家でないと分からない程度の場合もあります。
なので上質のサマートリュフはお買い得かも。
黒なので、白と違って加熱にも適するのでソースにも最適。

スコルゾーネのタリアテッレ
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ベネチアのモエケとマサネーテ

「総合解説」はそろそろ2016年8月号が発売になります。
最初の記事、今月の食材で紹介している8月が旬の食材の中で、個人的に初めて名前を聞いたのは、“masanete”でした。
マサネーテ。
さて、何でしょう。

カニの女性型のベネチア訛りだそうですよ。

ベネチアのカニというと、モエケが有名ですが、モエケは春と秋に脱皮した潟のカニ。
日本語の学名はチチュウカイミドリガニというカニだそうです。

一方マサネーテは、チチュウカイミドリガニのメスが8月末から12月の受精後の卵を抱いた時の名前です。
チチュウカイミドリガニは地中海に生息するカニですが、特にベネチアの潟にたくさんいます。



モエケは主にフリットにして食べますが、マサネーテはゆでてサラダにするそうです。



正直言って、モエケよりマサネーテ食べてみたい。


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『ディアマンテ・デッラ・グランデ・クチーナ・ディ・シチリア』

今日は再入荷の本のご案内です。
入荷したのは
イル・ディアマンテ・デッラ・グランデ・クチーナ・ディ・シチリア』。
多分「?」ですよね。


初版が出版されたのは1976年。
それ以来、シチリア料理の料理人に読まれ続けている人気の本です。
今回入荷したのは2006年版。 
何度も版を重ねていますが、人気には追いつかず、常に品切れ状態で、ここ数年、市場には出回っていません。
それをうちのスーパーバイヤーが、ゲットしました。

実は、写真がない本で、シチリアの方言丸出しなので、決して読みやすいとは言えません。
なのに、ちょっと前にシチリアで修行していた人なら、みんな見かけているのでは、と思うくらい、シチリア人の間に広まりました。

シチリア料理に興味のない人には、まったく価値がわからない、ちょっと謎な本です。
それがまっさらの新品状態で入荷しました。
ただ、残念ながらがらカバーには傷みがあります。

そうです。
この本、カバーがあるのです。
料理書でカバーがあるのは、アンナ・ゴゼッティ・デッラ・サルダの『レ・リチェッテ・レジョナーリ・イタリアーネ』とこの本ぐらいです。




それにしても、中身のほぼ新品の状態から推測すると、この本は、シチリア以外の書店の倉庫で何年もデッドストック扱いされて、ひっそりと眠っていたのでしょうね。
著者のピーノ・コッレンティ氏は作家で舞台監督。
さらに、イタリア調理師協会シチリア支部の名誉会長でもありました。
シチリアの食文化の先生として、シチリアの人々から尊敬されていました。
この本は彼の代表作です。

そんな通好みの本をなぜ知ったかと言うと、シチリアから戻った料理人の方から、問い合わせを数件いただいたからです。

問い合わせが複数の場合は、スーパーバイヤーに探してもらっていますので、そんな本がある人は、ぜひご連絡ください。
ただし、イタリア時間でのんびり待てる方に限ります。


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アサリとムール貝に合うワイン

今日はワインの話。

お題は「アサリやムール貝に合うワインは?」
味も歯ごたえも違う貝ですが、一緒に料理にすると、互いに補完し合って、厚みのある味の貝の料理を生み出します。
で、貝のミックスに合うワインはと言うと、『サーレ・エ・ぺぺ』誌のソムリエによると、イタリアの白は、様々な味を活かすことができる多様性があるのが特徴で、こういうテーマは得意なんだそうですよ。
特に、サルデーニャ北部のものが貝のソフトさや塩気とよく合うのだとか。

ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ



総合解説」でお勧めしている4種類のワインのうち、アサリに合うと紹介されたマルケのパッセリーナ。



ムール貝の産地としても知られるサレント地方のワイン、ネグロアマーロ・ロゼは、ムール貝とじゃがいものティエッラなど、陸と海のミックスの料理にぴったり。




最後はサント・イシドロ・ロザート。
マルケ南部の、モンテプルチャートとサンジョヴェーゼを栽培するカンティーナの両方のぶどうの個性が感じられるミステリアスなロゼ、だそうです。



プーリアのロゼが大ブームになったこともありましたよね。
イタリア中でロゼがブームなのかと思ってあちこちで飲んでみましたが、プーリアのロゼは品質が別格でした。
プーリアでロゼを飲むとはまります。



サルーテ~!


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“貝に合うワイン”の記事の日本語訳は「総合解説」2018年7月号に載っています。
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