Posts By prezzemolo

レズドーラとロールパスタ

今日はエミリア風ロールパスタの話。
12月号の「総合解説」に、毎年必ず登場するパスタは、トルテッリーニなどの詰め物入り手打ちパスタが定番ですが・・・、
今年は趣向を変えたのか、ロールパスタが登場しました。
ロールパスタって、考えてみると最近では珍しいパスタです。

下の動画は「総合解説」のロールパスタと同じではありませんが、とりあえず。


「総合解説」のエミリア風ロールパスタは、典型的なロールパスタだと思いますが、この動画が一番近いかも。

このパスタのリチェッタが写真付きであった本は、お勧め本の1冊、『イル・グランデ・リーブロ・デッラ・パスタ


人気のロングセラーの本ですが、表紙のデザインを何度も変えながら重版をしているので、どの表紙の本が手に入るかは、注文してみないとわからないという、かなりイタリア式マインドが必要な大型本です。
扱っているパスタと写真の多さが特徴。

生パスタの基本は、麺棒で伸ばす板状の生地です。
イタリアでこの作業のマイスターとみなされているのが、エミリア地方の主婦たちです。
このブログでも度々登場していますが、彼女たちはレズドーラrezdoraと呼ばれています。
家事は料理でもなんでもバリバリこなすスーパー主婦のことですが、もちろん生麺を薄く均一に伸ばせる男性も普通にいます。

パスタは乾麺と生パスタで、別々の道を歩んできました。
主材料はどちらも粉と水。これが、工場での大規模生産か、人手によるアルティジャナーレな製品かによって、明確に2つでに別れました。
乾麺のパスタは、製品の保存と輸送を確実にして世界中に広まりました。
そうなるためには、大都市などの人口の多い大きな消費地と、鉄道や船などの輸送手段が発達していることが必要です。
大量生産によって価格が下がり、ゆでるだけという簡単な調理方法のおかげで、特別な技術がなくても、裕福でなくても、忙しい人でも、誰でも食べることができるとても民主的な食べ物になり、世界中の人々に受け入れられました。

一方、生パスタは、スローな道を選びました。
その製造技術は母から娘へと口伝で受け継がれ、人や場所によって様々な形が考え出され、どんどん個性的で複雑になっていきました。
北イタリアで栽培が広まった軟質小麦triticum aestivum またはvulgare)は、硬質小麦triticccum durumまたはtrugidum)より白くて細かい粉になり、なめらかで人の手による細かい細工がしやすい小麦だったのも幸いでした。

レズドーラはエミリア地方だけではなく、北イタリア各地の家庭を切り盛りするベテラン主婦の呼び方ですが、エミリア地方では生パスタを薄く均一の広い板状に伸ばす女性職人の名前として広まりました。
農家のレズドーラはその家で一番早く起きて家族が畑に出かける準備をし、家族が出払ったら今度は家畜の世話をします。
ある意味、農家の女性の暮らしは男性よりきつかったかも。

薄い布にのせたパスタをソフトに巻くのは、熟練が必要な技ですが、レズドーラのパスタの秘密は、全部口伝で伝えられてきました。
量もきっちり図るのではなく、目分量。
例えば、パスタを麺棒で伸ばすと、パスタマシンで伸ばしたときより表面がザラザラになって、ソースが絡みやすい麺になります。
打ち粉をセモリナ粉と軟質小麦粉のミックスにするのも同じ効果が得られます。

下の動画はボローニャで開かれたパスタ打ち教室。
麺棒でパスタを伸ばす教室です。
今時のイタリア人女子と男子が受講しています。


今月の「総合解説」のロールパスタのリチェッタは、P.16です。

生パスタのことを詳しく知りたいなら、スローフードの『パスタ・フレスケ・エ・ニョッキ』がお勧め。


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“エミリア風ロールパスタ”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年11/12月号に載っています。
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お勧めピエモンテ料理の本

料理雑誌の11月号と12月号を訳していると、この時期はピエモンテが光り輝いていると感じます。
白トリュフ、ワイン、ボッリート・ミスト、カルドゴッボなど、「総合解説」で訳したリチェッタも、ピエモンの特産品が活かされたものばかりです。

クレアパッソで販売しているピエモンテ料理の本のお勧めは、
まず、グリバウドのグランデ・クチーナ・レジョナーレ・タリアーナシリーズの『ピエモンテ』。

ピエモンテの代表的な料理を幅広く網羅して、写真もそれなりにあるので、ぱらぱらとめくっているだけでピエモンテ料理の大まかな姿が見えてくる、とてもコンパクトで便利な本です。
他の州も全部こんな調子で、全集揃えるのがお勧めで、イタリアの代表的地方料理がほぼコンプリートできます。

ニュートン・クチーナ・レジョナーレシリーズは、さらに詳しく、ピエモンテのプロヴィンチャごとにリチェッタをたくさん集めています。


11~12月に旬を迎えるピエモンテは、正確には、ランゲ、モンフェッラート地方が主役。ピエモンテの料理を語る上で、クーネオ、アスティ、アレッサンドリアにまたがるランゲとモンフェッラートという地区は、最初に覚える地区のはず。
イタリアを代表するワインの産地として名高く、世界遺産でもあります。
世界中の人がイメージするピエモンテの姿が、この季節のランゲ・モンフェッラートにあります。


ピエモンテはワインとトリュフだけじゃない。
世界一の米とミネラルウオーターもあります。


北の人も南の人と同じくらい地元愛が強烈なんですね。
その強烈な地元愛がよく分かるお手頃価格の本が、ニュートンのシリーズです。
長く愛されているロングセラーで、リチェッタの数はすごいけど、写真が殆どないのが欠点。

逆に写真が素晴らしいのが、『トラディツィオーネ・グスト・パッシオーネ』。


1巻は北イタリア、2巻は南イタリアの有名レストランの料理を中心に紹介していますが、1巻はピエモンテ料理から始まります。
たとえば、1巻P.21の“赤パプリカのリピエーノ”は、肉厚のパプリカがとても美しい1品です。
その左隣のページの写真は、チラッと見ると、何の変哲もないオーブンでパプリカを焼いている写真ですが、中央の写真のパプリカが焼く前で、下段の写真は同じように見えますが、よく見るとパブリカがぺしゃんこに潰れています。
パプリカがこの状態になるまで焼く、というのが、この店(リストランテ・ダ・グイド)の焼き方なんです。
それがわかった時、大抵の人は二度見しますよ、この何の変哲もない写真を。
さらに、記事には美味しいパプリカの選び方も書いてあります。

ページをめくると、今度は生の卵黄が具のラビオリ。
さらに次のページをめくると、ドーンと見開きの2ページを使って、今まさに生の卵黄にパスタをかぶせる写真が。
次の料理も歴史的な名物料理です。
アニョロッティのナプキン包み。
アニョロッティを皿ではなくナプキンの上に盛り付けてサーブする、てどういうこと?
となりますよね。
実はこの料理、名前はとても有名で時々聞いていたのですが、その由来やサーブされる姿を始めて見ました。
おそらく写真に残された最後の姿なのでは。
生の卵黄のラビオリもナプキンのアニョロッティも、グイドのシェフのリディア・アルチャーティというピエモンテでとても愛された、ピエモンテ料理の1時代を築いた女性シェフが作り出しましたが、彼女は2010年に亡くなっています。
本にはリディアさんがどういう人で、どうしてこんなに尊敬される料理人なのかが書かれています。

リディア・アルチャーティさん。
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この本は、こんな調子で、すべてのページが貴重な情報に満ちています。
イタリアであっという間に売り切れたのも納得です。

もう少し若い世代のピエモンテ料理の旗手たちの料理を中心に知るなら、スローフードのに関わりの深い店の本、『オステリエ・ディ・イタリア新版』がお勧めです。


ブラのボッコンディヴィーノの次に紹介されているのはトリノのコンソルツィオ。
 ↓





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総合解説
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21世紀のブラザートとストゥファート

今日はブラザートとスゥファートの話。
イタリアの冬の基本の料理です。

以前、このブログでも説明しています。(こちら)
3年前の記事ですが、今回訳した『クチーナ・イタリアーナ』の記事(今月の「総合解説」P.24)は、たった3年でイタリア料理が変化していることを感じさせる興味深い記事でした。

ブラザートbrasatoは炭という意味のbrasaが語源で、炭で鍋を覆って煮る料理でした。
一方、ストゥファートstuatoはストーブstufaで煮る料理。
3年前、イタリアの人たちは、両者の違いがよくわからない、と言っていました。

ストゥーファ
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暖炉で料理
 ↓

おばあちゃんの時代の薪用コンロ
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薪用コンロは生き残ったようですね。
ガスの火では出せない良さがあったのでしょう。
炭火で煮ている動画はみつかりませんでした。
もう絶滅したのでしょうか。

とにかく、炭も薪も、一昔前の、ガスコンロが普及する前の、言うならば明治の台所の話だったのです。
一昔前はその過渡期で、携帯に黒電話が駆逐されたように、炭や薪で料理することを知らない世代には、ブラザートもストゥファートも、なんのこっちゃ、だったのでしょうね。

イタリア中、ガスのコンロが当たり前になった現在、あえて炭や薪で料理しようとする人がいなくなった代わりに、ガスのコンロでブラザートやストゥファートと同じ効果を出す調理方法が研究されています。
さらには、コンロの持つ特徴を活かした調理方法も加えられるようになりました。
それが現代のブラザートとストゥファートなのです。

強火で焼いて焼き色をつけてからから、とろ火を保ってコトコト煮る、という調理方法が、ガスコンロが普及した現代だからこその料理だったとは、目からウロコでした。

炭火の調理を低温調理という方法で再現したブラザート。
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“ブラザートとストゥファート”の記事とリチェッタの日本語訳は「総合解説」2016年11/12月号P.24に載っています。
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ファッロことエンマー小麦

本で見かけると、いつも猛烈に気になる食材があります。
ファッロfarroです。

starr-170723-0274-Triticum_dicoccum-Emmer_kernels-Hawea_Pl_Olinda-Maui
 ↑
これはハワイで栽培されたファッロ。

昔はスペルト小麦と訳していたのですが、ファッロには大中小の3種類あります。
そしてスペルト小麦はファッロ(大)のことです。
ところがイタリアで普通ファッロというとファッロ(中)のことです。
Triticum dicoccum(エンマー小麦)です。
やっぱりイタリアのファッロはスペルト小麦じゃないですよね。
この事実を知って以来、ファッロのことはスペルト小麦と呼ばずにファッロと呼ぶことにしました。

詳しくは、以前のブログ(こちら)を御覧ください。

イタリア各地の名産品の解説本、『1001スペチャリタ』によると、

ファッロ(中)は現在の軟質小麦粉の先祖。
人間が利用した最初の穀物の一つで、エトルリア人やローマ人の基本の食料でした。
石が多い痩せた土地でも育ち、厳しい冬の寒さや夏の日照りにも強く、栽培には農薬や殺虫剤を必要としない穀物です。
ちなみにfarinaの語源はfarroです。
ファッロ、あなどれない。

いくつかの種類がありますが、ウンブリアのモンテレオーネ・ディ・スポレートで栽培されている品種は、もっとも上質なファッロとみなされています。
ヨーロッパで唯一のDOP製品。
エトルリア人が文化を築いたウンブリアで、ファッロは大切に受け継がれてきたんですね。
しかも、モンテレオーネ・ディ・スポレートのファッロは、イタリアならではの親から子へと技術を厳格に受け継ぐ伝統が守られてきたために、皮が固くて向きにくいという欠点があるにもかかわらず手作業が守られ、古代の品質が守られました。



ファッロは痩せた土地でも、厳しい気候でも育ったので、飢饉の時に大勢の命を救いました。
そのため、ファッロをモンテレオーネ・ディ・スポレートに伝えた聖人、サン・ニコラは、街の守護聖人となり、21世紀の現在でも、サン・ニコラのファッロの祭りで、その奇跡が語り継がれています。

2017年12月5日のサン・ニコラのファッロの日
 ↓


最近ではファッロの粉を使ったパスタも普及してきました。
ファッロの粉には食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれているそうです。


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総合解説
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カラブリアのベルガモット

今月の食材の話、続きます。
今月と言っても、現在発売中の「総合解説」2016年11/12月号の話ですので、あしからず。

P.2ページの、上段中央の柑橘果物。
ベルガモットbergamottoです。
ミカン科の植物ですが、カラブリアの宝と呼ばれているレッジョ・カラブリア特産の柑橘フルーツです。

聞いたことはあるけど、どんな味や香りなのか、知らないなあ。
それもそのはず、ベルガモットは生食用や飲料用ではなく、もっぱら精油を香料として使用する柑橘果実。
1kgの精油を得るにはベルガモットが千個必要です。
スポンジを使って精油を絞り出す独特の手作業。


ディオールのすべての香水にも使われています。
 ↓

カラブリアは全世界のベルガモットの95%を生産しています。
ミカン科の果実は中国原産で他の品種との交配によって様々な果実が生み出されています。

どんな経緯でベルガモットがカラブリアに定着したのか、諸説入り乱れていますが、カラブリアが出てくる説は、スペインのムーア人がカラブリアの領地に生えていたビターオレンジの木にある植物を接ぎ木したことから広まった、というもの。

こちらのページによると、ビターオレンジをアラブ人は9世紀から栽培していて、11世紀にはシチリアにも伝えています。
ベルガモットの黄色い皮はレモンやビターオレンジ、ライムの血統が入っていることの証明。
ベルガモットの皮から取れる精油は、ビターオレンジの血統の証だそうです。
結論は、ベルガモットは14世紀にカラブリアで人為的に造られた品種とのこと。
この説、説得力あるなあ。
北イタリアのベルガモは関係なさそうですね。

カラブリアでは、まだ知られていないものも含めて様々な柑橘フルーツが栽培されています。
 ↓

2008年まで、ベルガモットは精油用の工業製品で農作物とはみなされていませんでした。
でも、最近では栄養価などが注目されて、食用として認知されるようになってきました。
生のものが出回るのは11月から3月の収穫期だけ。


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“ベルガモット”は「総合解説」2016年11/12月号P.2に載っています。
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11/12月の食材~トスカーナの栗の粉

「総合解説」2016年11/12月号発売しました。

最初の記事は、11月や12月に旬を迎えるイタリアの食材。
今月は面白い食材が一杯ありました。
まずは、farina di castagne、栗の粉です。

栗の粉なんて、カスタニャッチョ以外の料理が思い浮かばなかったのですが、これが最近では、グルテンフリーの粉として、小麦粉の代用品として注目されるようになっていたとは、全然知らなかったですねー。

下の動画によると、1950年台末まで、山岳地帯に暮らす人々に取って、栗は冬の間の主要な食料でした。
栗拾いも大切な日課。
子供は栗拾いをしてから学校に行ったものでした。
集めた栗は1ヶ月かけて干してから皮をむいて、山の雪解け水の水車で粉にします。
こうして長期間保存できるようにしたのです。
当然ながら山の暮らしが改善された現在、栗の粉を作る人も減っています。
消えつつある伝統のようです。



村の住民総出で行う、手作業の粉作り。
手間のかけ方で品質の良さが左右されます。
栗の粉に対するイメージが変わるような動画でしたね。

栗の粉のポレンタ・・・。
食べたことない・・・。

イタリア各州の特産品と料理を集めた大型本、『1001 スペチャリタ』によると、

カスタニャッチョはイタリアで全国的に広まっている料理ですが、中でもトスカーナは上質の栗の産地として、昔から栗料理には一目置かれていました。
代表的な栗は、モンテ・アミアータのカスターニャ、ムジェッロのマローネ(最上質と言われているのはマロン・ブオノ・ディ・マッラーディ)
マッラーディの栗の収穫祭
 ↓



トスカーナのカスタニャッチョは上質の栗の粉を使ったカスタニャッチョと言われています。
カスタニャッチョは10月に収穫した栗から冬に作る料理です。
ノヴェッロワインやヴィンサントを添えるそうです。
11月は新ワインの季節でもありました。

モンテ・アミアータの栗生産者組合のページのリチェッタ(原文はこちらのricette antiche)を訳してみます。

カスタニャッチョ/Castagnaccio
・栗の粉500gを振るい、塩ひとつまみを加える。
・水800mlで溶き、松の実、くるみ、レーズン、ローズマリー、オリーブオイル大さじ3を加える。
・オーブン皿に油を散らして生地を厚さ2cm程度に流し入れ、190℃のオーブンで約30分焼く。

GialloZafferanoのカスタニャッチョ
 ↓


超簡単。


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栗の粉は「総合解説」2016年11/12月号P.2ページに載っています。
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農民料理人、ピエトロ・パリージ

今月のシェフは、まず、ピエトロ・パリージさん。
18歳までナポリの農園育ちで、ホテル学校卒業後、マルケージのもとでスタージュ、その後はパリのデュカスの元で働き、24歳でドバイの高級ホテルの料理長という輝かしいキャリアを歩んできました。
イタリアに戻ってからは、通称、cuovo contadino(農民料理人)と呼ばれて、職人と農民の仕事の成果を世に広めています。

自信作の1つ、揚げずに蒸して作るパルミジャーナ


ローマでイタリア版フード・ジャーの店を開いたそうですが、フード・ジャーってこういう料理のことでしたか。
パルマ・カンパーニアの彼の店、エーラ・オーラ



食材を提供する農家の紹介や、野菜の皮などの残り物の利用方法にもこだわった本。
彼は、食材の造り手と料理人の同化を目指すシェフ。




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“シェフ~ピエトロ・パリージ”の記事とリチェッタの日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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ジビエに合うイタリアワイン

今日はジビエに会うワインの話。

最近はジビエが話題にされることも多いようで、ジビエを食べる機会に遭遇するチャンスも多くなっているのではないでしょうか。
サーレ・エ・ぺぺ』によると、イタリアのソムリエさんが言うには、ジビエ特有の硬さのある味は、ジビエの脂肪の中にあり、食べてすぐに感じるものではなく、肉の味の中に溶け込んでいるのだそうです。

さらに、ジビエ料理に多い長時間の加熱によって、複雑な風味が生まれるので、単純に食材とワインの相性だけを考えるものではないのだとか。

猪肉にも鹿肉にもとんと縁のない生活ですが、もしもの場合にそなえて、知識だけはためておくか・・・

それにしても、この記事を読んで思わず二度見したのが、記事の中で上げられている野生動物。
cinghiale(猪),cervo(アカシカ),capriolo(ノロシカ), daino(ダマジカ), lepre(ノウサギ)までは、ふんふん、と読んでいたのですが、最後のriccioで?となりました。

ご存知ですか? riccioという名の野生生物。

di mareがつくとウニですよね。
つまりウニのような姿の陸上の動物というわけなんでしょうけど、とげとげがある動物というと、ハリネズミ以外、思い浮かびませんよ、私。

Little Hedgehog Adventure

でも、この記事は料理とワインの話。
つまり食べる肉としてのハリネズミ?
ということで話を進めてOK?

とりあえず調べてみると(こらちのページ)、ヨーロッパハリネズミはイタリアでは全国的に生息しているそうですが、現在は保護のために禁猟となっているようです。

そんなわけで、もしもの時にそなえて、ハリネズミ料理にはどんなイタリアワインが合うかという知識まで引き出しにしまわれてしまいました。
答えは「総合解説」を御覧ください。

それでは、イタリアの代表的なジビエ、cervoの話です。
日本の鹿、ニホンジカより大型の、森の王様です。

ciao, mi chiamo alan

どんな料理が適するかは、「総合解説」2016年9/10月号の“シェフと肉屋のジビエ”を御覧御覧ください。

答えはずばり、
「高貴なバローロは鹿肉に合う」
だそうですよ。

これは覚えやすいですね。
もっと高貴なバルバレスコにはノロジカだそうです。
ノロジカCaprioloというのはCervoによく似た味で調理方法も似ていて、Cervoより小さいので、ニホンジカに近いかも。

ペットのノロジカ。かわいすぎー。
さすがは森のともだち。
 ↓


猪肉に合うのはブルネッロ・ディ・モンタルチーノだそうです。

ジビエをプリーモ・ピアットのソースにしたときにお勧めなのは、デリケートなボディーの中程度の強さの香りのワイン。

ノロジカのラグー
 ↓

ノロジカ肉・・500~600g
マリネ液
 赤ワイン・・1.5カップ
 小玉ねぎ・・1個
 にんにく・・1かけ
 にんじん・・小1本
 セロリ・・1本
 ローズマリー、セージ、ジュニパー、ローリエ、その他好みのフレッシュのハーブ
 
・肉を粗く切ってマリネ液で最低12時間マリネします。
・肉を取り出して小さく刻みます。
・玉ねぎ、にんじん、セロリ、マリネ液と同じ量のハーブをみじん切りにします。
・鍋に油1/2カップ、バター一塊、コロンナータのラルド50gを入れ、香味野菜とハーブのみじん切りを炒めます。
・しんなりしたら刻んだ肉を加えて炒め、白ワイン1カップを加えてアルコール分を飛ばします。
・皮むきカットトマト350gを加え、蓋をして弱火で1時間煮ます。
・レードル1杯のブロードか湯を加えて塩、こしょうし、1~1.5時間煮ます。

久しぶりに動画のリチェッタを訳してみました。
作る人、いるかなー?
「総合解説」には猪のラグーのリチェッタを載せました。
仕上げにズッキーニの輪切りのフリットとペコリーノを散らし、香味野菜のソッフリットにはグアンチャーレを加えています。

相性の良いワインは、ネッビオーロが共通項。
cervoはバローロ、caprioloはバルバレスコ、ジビエのラグーにはネッビオーロ・ダルバ。

ネッビオーロ
 ↓


鹿肉のハンバーガーに合うお勧めのワインは、オディリオ・アントニオッティのブラマテッラ。
ネッビオーロと地元の数種類の品種を使っています。




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“ジビエに合うワイン”の記事の日本語訳は、「総合解説」2016年9/10月号に載っています。
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