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[INTERVIEW] Devon Williams



日々の生活のなかの、ちいさな綻び。それは晴天の霹靂か、それとも擦り切れた、布の裂け目か──今年の秋に惜しまれつつも移転するAmoeba Recordsハリウッド店のスタッフでもあったDevon Williamsの6年ぶりの新作『A Tear In The Fabric』は、彼の父親の死と、娘の誕生という出来事を挟んで完成したアルバムだ。

それは同時に、家族を育てながら、音楽を続けることの難しさについても歌っている。80年代ニューウェーヴ/ネオ・アコースティックなサウンドに、DestroyerのメンバーでもあるJoseph Shabasonのサックスと、Ted Boisのピアノが色を添える本作について、Devonがメールで答えてくれた。

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[INTERVIEW] Perfume Genius


photo by Camille Vivier

僕の人生の半分は過ぎ去った──そんなフレーズで始まるPerfume GeniusことMike Hadreasの新作『Set My Heart On Fire Immediately』は、2017年の前作『No Shape』、シアトルのダンス・カンパニーのために書き下ろした昨年の『The Sun Still Burns Here』に続いて、三たびプロデューサー/ギタリストのBlake Millsとタッグを組んだ作品だ。

それは病弱で孤独だった青年が、ダンスを通じて自分の身体と心の繋がりを取り戻し、同時に他者との繋がりを見つけるまでの物語でもある。空を舞うような「Without You」から、地を這うような「Your Body Changes Everything」まで。過去の自分に火を点けて燃やし、1曲ごとに新しい自分に生まれ変わるような本作について、Mikeが語ってくれた。


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[INTERVIEW] Car Seat Headrest



Car Seat Headrestは、まだ学生だった2010年頃から、車のバックシートで録音した音源をbandcampに大量にアップし始めたヴァージニア州出身の青年、Will Toledoによるプロジェクトだ。

大学卒業後にシアトルに引っ越した彼は、名門インディー・レーベルのMatadorと契約。バンド・メンバーを集めてツアーをスタートさせると、2015年の『Teens Of Style』と2016年の『Teens Of Denial』で、一躍シーンの寵児となる。

そんな彼らが過去作をリメイクした2018年の『Twin Fantasy』に続いてリリースする最新作『Making A Door Less Open』は、ツアー中にWillがドラマーのAndrew Katzと始めた別プロジェクト、1 Trait Dangerから発展したものだという。

普段からあまりメディアに登場せず、インタビュー嫌いな印象もあるWillだが、本作におけるペルソナであり、ガスマスクにオレンジの蛍光服姿のTraitというキャラクターに扮した彼は、アルバムについて思いのほか饒舌に語ってくれた。


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[INTERVIEW] The Orielles



故Andrew Weatherallによるリミックス・シングルも話題を呼んだ、英ハリファックス出身のインディー・ロック・トリオThe Orielles。そのセカンド・アルバム『Disco Volador』の冒頭を飾る「Come Down On Jupiter」の歌詞は、アンドレイ・タルコフスキーの映画『鏡』の中で、監督自身が朗読する父アルセニー・タルコフスキーの詩「初めての逢瀬」にインスパイアされているという。

同じくタルコフスキーの信奉者であるPatti Smithは2012年、Sun Raの曲に詩をつけた、「Tarkovsky(The Second Stop Is Jupiter)」という曲を発表した。ヴォーカル/ベースのEsmeとドラムのSidonieのHand-Halford姉妹はDJとしても活動しているというだけあって、音楽センスには定評のある彼女たち。パンクやハウス、イタリアン・チネ・ジャズから辺境サイケなど、様々な音楽やカルチャーを線で繋いで星座を象ったようなアルバムについて、メールでインタビューに答えてくれた。

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[INTERVIEW] TOPS



2018年のジャパン・ツアーも記憶に新しい、カナダはモントリオール出身のドリーム・ポップ・バンドTOPS。そのツアーでも披露していた新曲をタイトルに冠し、前作に続いてBeach House作品で知られるChris Coadyがミックスを手掛けたニュー・アルバム『I Feel Alive』が、バンドの自主レーベルであるMusique TOPSからリリースされた。

彼ら特有のメランコリックなバラードも健在で、“ポップになった”という捉え方にはメンバーも抵抗があるようだが、それでも冒頭の「Direct Sunlight」や、ABBAやFleetwood Macすら思わせるタイトル曲に漂うポジティヴなムードは、リスナーに春の訪れと、生きる喜びを感じさせてくれることだろう。

自身のポートレートがジャケットを飾る本作について、現在はベルリンで暮らしているというヴォーカルのJane Pennyが答えてくれた。

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[INTERVIEW] Julia Jacklin



パートナーのNick McKinlayと共同で、Stella Donnellyの「Old Man」や、Rolling Blackouts Coastal Feverの「Cars In Space」のミュージック・ビデオを監督していたオーストラリアのシンガー・ソングライター、Julia Jacklin。失恋やリベンジ・ポルノといった難しい話題を包み隠さず歌った昨年のアルバム『Crushing』が絶賛され、Lana Del Reyのステージにも招かれた彼女が、バンド・メンバーを従えて待望の初来日公演を行う。

シリアスな楽曲とは裏腹に、普段の飄々とした佇まいが印象的で、自身のミュージック・ビデオでもディレクター、ダンサーとマルチな才能を発揮しているJuliaが、これまでのキャリアや、来日公演への意気込みを語ってくれた。


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[INTERVIEW] Caribou


photo by Thomas Neukum

CaribouことDan Snaithの人生に起きた、いくつもの“突然の変化”が散りばめられた5年半ぶりの新作『Suddenly』。

しかしそのサウンドの一貫性のなさに不安を持っていた彼に自信を与えてくれたのは、意外にも昨年リリースされたTyler, The Creatorのアルバム『IGOR』だったという。

ジャズやヒップホップ、トラップなど、様々な音楽への興味が水面の波紋のように全方向に拡がる新作について、6月に開催されるフェスティバルFFKT 2020での来日も決まっているDanが答えてくれた。


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[REVIEW] Caribou – Suddenly


ジュリアはある日突然に

Four TetことKieran Hebdenが共同でアレンジを手掛け、70年代のソウル・シンガーGloria Barnesの歌声を、Wu-Tang ClanやA Tribe Called Questといった90年代ヒップホップのマナーでサンプリングした「Home」や、キャリア史上最大のヒットを記録した前作『Our Love』路線のフロア・アンセム「Never Come Back」といったリード・シングルのイメージで本作を聴いた人たちは、きっと驚くに違いない。

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